欧米人は玄関で靴を脱ぐ習慣はありませんが、日本人は、玄関で必ず靴を脱ぐ習慣があります。「脱ぐ家と脱がない家」とで玄関の考え方がまったく違ったものになります。ただ靴を脱ぐだけのスペースにならない様に、玄関スペースのことを掘り下げてみたいと思います。

玄関の構成には意味があります

上がり框(あがりがまち)

玄関の土間と床の段差のところに設けられる化粧材の横木のことで摩擦が多いためヒノキ、ケヤキなど固く、木目の美しい木材のほかに、人造大理石や御影石なども使われます。

住宅金融支援機構監修の木造住宅工事仕様書では18センチ以下の高さにするように記載されていて、それ以上の段差がある場合は、式台などを設置して、段差を解消する事となっています。高齢者のためには、できるだけ高さを抑えた方がよいです。できれば10センチ以下になるよう設計するのが望ましいです。(どの高さにするのが良いかではなく、どんな高さにしたいかで決めれば良いと思います。)

式台(しきだい)

玄関のタタキと床の段差が大きい場合に設置される板のこと。
式台の由来は武家屋敷にて、来客者が地面に降りることなく、 かごに乗れるように設けられた板の間でした。

玄関ドアー・土間・ホールの配置を考える

上の3つの玄関はタタキの広さは同じに描いています。

1番目の玄関は土間を縦にしたタイプ

2番目の玄関は土間を横にしたタイプ

3番目の玄関は2番目と入口が違います。

あなたはどのタイプの玄関がお好みですか?

私は①<②<③になります。①より②のほうが広く使えて気持ちがいいからです。②より③のほうが良いのは、土間に降りなくても玄関ドアーを開けられるメリットがあります。

色々な事例を見てきましたが、②の玄関が一番多いように思います。これから家を建てられる方は③の配置も検討されてはいかがでしょうか。

土間に置くものとホールに置くもの

下駄箱やシューズクローク

①土間に下駄箱を置く場合

土間に降りなければ履物を取り出すことはできませんが、汚れた履物をホール内に入れることはありません。

②ホールに下駄箱を置く場合

ホール側に下駄箱があれば土間に降りなくても靴を取り出せますが、汚れた履物をホール内に入れることになります。

③両方をまたいで置く場合

玄関の広さに余裕があれば、両方にまたぐように設置すれば問題が解消されます。

一番おすすめの方法

最近よく目にする方法で広さに余裕があれば、土間とホールにかけて靴の脱着専用の空間を設けるという方法があります。このスペースを設けることにより、土間内に靴が散乱している光景を目にすることがなくなりますし、急なお友達の訪問でも、玄関先が綺麗なら家全体のイメージアップにもつながります。

姿見のカガミは土間へ

姿見は全身を映します。特にお洒落にこだわる方は靴からと言われますので、靴を履いた全身の姿をチェックしたいものです。ですから姿見は土間に設置するようにしましょう。

余談になりますが、風水では鏡の向きに注意が必要になります。

人それぞれの理想の玄関とは

玄関を設計するにあたって、その場所とは、だだの靴を脱着するだけのスペースなのか、普段考えることがない玄関という空間を家づくりの機会に是非一度考えてから進めてみてはいかがでしょうか?私たちは外出するとき、玄関で靴を履きながら無意識のうちに意識を切り替えています。反対に帰宅したとき、玄関で靴を脱ぐときは少し安堵した感じになります。玄関の目的は見た目も大事ですが、心地よく気持ちの切り替えの“間”を演出してくれる玄関が理想の玄関ではないでしょうか。